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ryo(らぷ)の日記

日々思ったことを書きます。

【日本の風習】ムカサリ絵馬・・・ってなんだ?

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中国をはじめアジアの特定の地域では、冥婚といって、亡くなった独身男性などに対し、「せめて冥土ではお嫁さんと幸せに暮らせるように」と、これまた亡くなった女性と婚儀を執り行う風習があるそうだ。

これだけならば「そういう風習もあるのなー」と流して終わりだったのだが、この話には続きがある。

中国ではその冥婚の内容が、ちかごろ変質化してきており、亡くなった者同士をくっつけるのではなく、亡くなった男性に相応しい女性を殺害しともに埋葬するなど、狂気じみた犯行が目立ってきたのだという。

中国の警察が「死体を納品する専門業者」を逮捕してみると「結婚相手を紹介するよ」と言って女性を連れ出し殺害するという方法を取っていたそうだ。洒落になってないし鬼畜すぎんだろ。

 

一説では3000年前から脈々と続くというこの風習。
近年変質・狂気化したとはいえ歴史ある習慣なのだ。
なんという野蛮な奇習だ、と断じるなかれ。

日本でも、似た風習はあるのだ。
それがムカサリ絵馬

 

山形の風習「ムカサリ絵馬」

ムカサリとは山形の方言。
絵馬はお寺や神社に奉納するもの。

 

内容については、冒頭の冥婚とほとんど同じだ。(※もちろん、同じ鬼籍に入れるため異性を殺害、などの凄惨な事件がおきた事例は無い。)

惜しくも亡くなった人の冥福を祈りながら、残された家族や身内は「この子は、こんなお嫁さんと結婚し幸せになってほしかった」「こんな未来もあった」などの痛切な願いを絵・絵馬・写真のなかで表現し、お寺に奉納するのだ。

婚礼風景を絵を描いて表現しているものが最も多い表現方法だが、近年は合成写真で架空の女性と一緒に映っているものもある。

描かれるのは実在の(亡くなった)男性と、架空の女性が多い。実在の女性などを描くとその人もあの世へ連れていかれるとされ、禁忌なのだそうだ。

"ムカサリ"とは一説では、嫁に迎えて去ることの「迎え・去り」から来ているとも言われている。

現在は山形県天童市の「若松寺」を筆頭に、いくつかのお寺がムカサリ絵馬の奉納所となっている。

一見なにも知らずに見ると御目出度い婚礼行事に見える絵馬も、その奉納された理由をうかがい知った途端にとてつもないもの悲しさを持つ。

f:id:niconico_ryo:20160828201440p:plain(若松寺公式より)

 以上のとおり現世で叶わなかった想いや夢を、ムカサリ絵馬の中では生き生きと描かれているのだ。

一度はたずねたい。

お寺には無数の絵馬が掛けられている。きっと現地を訪れたならばその光景に圧巻するんだろうな。
だけどその実1枚1枚の絵馬には、遺族の痛切なる思いが込められているのだ。絵馬1枚につき「そのひとの半生」と「今後あったであろうさらに半生」が思い描かれている。それを想うと、きっと拝見する時間なんていくらあっても足りないに違いない。