「1万円起業」片手間で始めて充分な収入を稼ぐ方法 レビュー&備忘録
原題 THE $100 STARTUP
クリス・ギレボー著
本田直之 監訳
2013年9月 第一版
いま読んでいるが、なかなかどうして、「最近のビジネス本ってこんな感じなんや~」と感嘆する部分が多い。
ネットサーフィンをしていてモヤモヤと感じていた「ネットを使った稼ぎ方の手法」を多彩な例を交えてより明示的に示している。
誤解なきよう。本書は必ずしも「ネットを使った販売戦略」だけを取り扱っている訳ではない。最近のビジネス書だから「フェイスブックで宣伝したところ.....ネット上でクチコミが広がる事で売上げが何千$に....」という出現頻度が昔より多いだけのことだ。もちろん街中での口コミも重要視している。
ただネットサーフをしていると嫌でも目に付く「販売手法」って、あるよね?
「レギュラーパッケージ 1980円」「フルパッケージ 3980円」みたいなヤツ。
備忘的にまとめると以下
- 「小さいものが勝つ時代」だ
→今までビジネスの常識と思われていたものは役に立たない。5年以上前の本は忘れたほうがいい。
- 「喜んであなたにお金を払いたくなる価値を創造する」
思い付いてから起業するまで1万円未満の資金と、1ヶ月未満の期間があればいい。
- 「今日から出来る1万円起業」
- 趣味、夢中になっているものを基にしたビジネス
- 起業資金は10万円未満、あるいは1万円未満
- 利益基準は500万円
- ごくふつうの人ができるもの
- 「成功するたった3つのルール」
- 共通部分を探す。自分が好き・得意なことと、他人の興味が重なる部分。そしてその興味とは,喜んでお金を払うほど強いものでなければいけない。
- スキルを転用する。自分が得意なことはたぶん1つだけではない。能力の組み合わせについてちょっと考えてみよう。
- 情熱やスキル+有用性=成功
- 「立ち上げに必要なたった3つのこと」
- 製品またはサービス(あなたが売るもの)
- 代金を払ってくれる人(顧客)
- 支払い手段(製品をお金と引き換える方法)
- 魚を与えろ────「人に魚を捕ってやれば,その人は一日生きられる。魚の捕り方を教えれば、その人は一生生きられる」さてほとんどの顧客は、魚の捕り方を習いたいとは思っていない。本当に欲しがっているものを与えよう。
- 価値の本当の意味────人びとの役に立つこと。
- ニーズの簡単な見つけ方────「増やしたいもの…お金、愛、自由、時間」「減らしたいもの…ストレス、不安、葛藤」
- 「好きを仕事に」の落とし穴
私はピザが好きだが、マッシュルームとオリーブへの愛が仕事に繋がるとは思えない。
適度な情熱を適切なオーディエンスに結び付けること。
(情熱+スキル)×(問題+市場)=ビジネスチャンス
GOOD:適度な情熱×沢山の視聴者
BAD:溢れる情熱×限られた視聴者
- 顧客の年齢層を調べるな。
古い人口統計:年齢、住所、性別、収入
新しい人口統計:興味、情熱、能力、価値観
- 顧客を見つける確実な戦略。
人気のある趣味、流行を掴む
多数の賛成派/反対派がいる産業や流行は、常に絶好のビジネスチャンスだ。
多くの人が何かに興味はあるがそれを日常生活で実行しづらい、と思っていることは絶好のチャンスだ。
自分のアイデアに確信が無いときは、ズバリ聞いてみることだ。「子育てについて、動画の撮り方について、いちばん知りたい事は何かい?」
- 計画
すばやくスタートし、反応を見てから考えろ
計画で未来を埋めるな。足踏みしないためにも、プランはA4用紙1枚にまとめよう。それを超えるなら、それは冗長すぎるかもしれない。
何を売る?
何を買う?
このビジネスアイデアは誰を助くのか?
それはいくら?
どうやって支払いを受ける?
このプロジェクトで稼ぐ方法は他には何がある?
顧客はどうやってこの製品について知るのか?
どうすれば口コミで広めて貰える?
プロジェクトの成功基準:顧客数___人または年間純収入___円
このプランの具体的懸念は?それに対しての解決策は?
このプロジェクトは何月何日までに立ち上げる?
- 断れないオファー
マラソンランナーの目の前にフレッシュなカットオレンジとドーナツを並べて支給しよう。どちらが断れない,魅力的なオファーだろう?
- 人びとが「ほしいもの」と「ほしいと言うもの」は必ずしも同じではない
たとえば飛行機のエコノミークラス。人びとが欲しい欲しいと言う「足元の広いエコノミークラス」が出ては消えるのはなぜか。エコノミークラスはその低価格が「ほしいもの」だから(一番の価値を認めている)。
ほとんどの人は買うのが好きだが、買わされるのは嫌がる。
説得力のあるオファーに出会うと、押し売りでは無く、好意溢れる招待を受けたように感じる。
背中を押すこと。例えば、シーズンの終わりが近付くほどにセール価格のレッスンを受けられるなど。
- よくある質問(FAQ)はPRのためにある。
いわゆる「反論つぶし」
- ツイーク(微調整)で稼ぐ
→スノボ指導で稼いでいたが、一年じゅう、他の顧客を掘り起こせるようスノーボード教材も販売(=販売手法を微調整)した。その後さらに世界9カ国語に翻訳した(=販売手法を微調整)した。
→ネット販売なら…「お買い上げありがとうございます。①ご一緒にこんな商品はいかがですか? ②同じ商品を買った人はこんな商品も買っています ③これは購入頂いた方限定の追加オファーです」
→(応用編)お得意様に商品が役に立った経験を語って貰う
→購入完了ページやメールで上位モデル商品をすすめる
→(発送完了メールなどで)口コミを自ら広げるよう働きかける(友達3人に話して下さい…いいね!を押して下さい…)
→考えられる中で一番強力な保証を付ける。例えば「1年以内なら返金無料」。ただしこれを実践した靴販売会社は日数ギリギリで返金要望したお客様には一度限り丁重に返金するが、同じく丁重にこう付け加えるそうだ。「弊社では二度とお買い物をなさらぬように」。
→逆に保証をつけない。売上は減るかも知れないが熱意の高い顧客が多くなる。クレーマーも少なくなる。
- 最良のソーシャルメディア戦略は「面白いことをする!」
→「他人の宣伝を投稿する」がフォロワーを惹きつけるとアドバイスを聞いたことは無いだろうか?そのアドバイスは否だ。あなたのフォロワーは、あなたに感心があるからフォローしているのだ。あなたの発言と、あなたの考えを待っている事を忘れるな。だから、フォロワーを惹きつけたいなら興味を引く事をしよう。ツイッターから離れてね。
- ハブ(本拠地)とスポーク(前線基地)を使い分けよう
ハブがメインのウェブサイトで、SNSやブログがスポーク。前線基地の仕事は、本拠地の仕事をサポートすることだ。活用はしても深入り(時間の掛け過ぎ)はしないように。本拠地のコンテンツは自分のものでも、前線基地での発言はそうとは限らない。
以上
※終盤からは、独立と継続的な利益の確保に成功したあとの話へとシフトしていく。ビジネスをアウトソーシングすべきか?事業は拡大すべきか?など。自分にはまだ縁遠いことなので、ここら辺は早読みで飛ばした。
どうだろう?当たり前の事が多かっただろうか?自分はもう本は読み返さなくても良いと思うが、ときどきこのエントリを読み返そうと思う。